TOKYO MER 第11話 の備忘録

ども、ゆうたんです。

TOKYO MERの第11話です。

  • 私は医療を学んだことがないド素人であること。
  • 一部、ネタバレを含むこと。

上記2点にご注意の上、お読みいただけると幸いです。

登場人物

簡単に登場人物を確認しておきましょう。

<MER>

ERカー(手術ができる緊急車両)で現場へ駆けつけるメンバーです。

  • 喜多見チーフ・・・主役。スーパードクター。
  • 音羽先生・・・腕のいいドクター。官僚(医系技官)。
  • 比奈先生・・・研修医。
  • 夏梅さん・・・優秀な看護師。
  • ミンさん・・・看護師。
  • 冬木先生・・・麻酔科医。
  • 徳丸くん・・・臨床工学技士。
<その他>
  • 赤塚都知事・・・MERの発案者。心臓の病気で入院中。
  • 高輪先生・・・循環器外科医。心臓の手術が得意。喜多見チーフの元配偶者。
  • 白金大臣・・・厚労省の大臣。赤塚都知事と対立関係にある。元医系技官。
ストーリー

赤塚都知事とずっと対立関係にありMERを解体させようとしていた白金大臣ですが、赤塚都知事へのお見舞いをキッカケにMERの活動を正式認可します。
一方、MERの現場は、同時爆破テロです。喜多見チーフは妹を亡くしたことで失意のどん底で、現場に駆け付けたのは喜多見チーフを除いた6名です。
前回、「次は最終話だからストーリー重視で医療用語が出てこなかったらどうしよう」と心配していましたが、全ッ然そんなことなかったです。医療用語のオンパレードでした。

同時爆破テロの現場

爆破テロで負傷者が多数のため、今回は患者別の解説は省いて、医療用語だけピックアップします。

クラムシェル

音羽先生が「左開胸で始めますがクラムシェルの準備もしておいてください」と言ってました。
クラムシェルについては「青森県ドクターヘリスタッフブログ(※1)」や「外科医の視点(※2)」などで丁寧に解説されています。
第4肋間(または第5肋間)に沿って左側の開胸を行い、下半身への血流を止めるために大動脈をサテンスキーでクランプ。開胸心マを行いながら、胸骨を横切って右側の第4肋間(または第5肋間)を切り開き、右側で止血等、適切な処置を行います。

吸入麻酔から静脈麻酔への変更

夏梅さんが「体動があります」と伝えると冬木先生が「吸入麻酔から静脈麻酔メインでコントロールします」と宣言します。
この理由については、冬木先生がTwitterで説明しています。

電メスとバイポーラ

医療用テントの中でオペ中の音羽先生に対し、徳丸くんが「電メスとバイポーラ持ってきました!」と言ってましたね。
電メスとは「電気メス」のこと。(ドラマ「ドクターX」では、電気メスのことをよく「モノポーラ」と表現していました)

電気メスには、切開モードと凝固モードがあります。細胞を消滅させて組織を切り開いたり、熱凝固させて止血する役割があります。
同様に、バイポーラも電気が流れています。メスのように切るのではなくピンセットの形になっていて、つまんで止血や凝固を行うためのものです。(※3)

ターニケット

電気メスの流れで徳丸くんが「ターニケットで加圧止血しますね」と言ってます。この文章から分かるとおり、ターニケット(タニケットとも言う)は、血流と止めるためのものです。

赤塚都知事の手術

白金大臣のファインプレーでiPS細胞を使った心筋組織の使用許可が出されました。高輪先生が、特発性拡張型心筋症による難治性重症心不全に対して心筋組織移植手術を行います。

iPS細胞

「なんか聞いたことはあるけど、説明はムリ」の代表格だと思ってます(笑)

人間はもともと一つの受精卵から出来ています。そのため初期の細胞は、どんな細胞にでも変身できるわけです。この「何にでもなれる能力」のことを「多能性」といいます。細胞分裂が繰り返され、ある程度、成長してしまうと「お前はもう心臓の細胞だ」とか「お前はもう眼球の細胞だ」という具合に、「もう他の遺伝子にはなれませんよ」と遺伝子にロックがかかります(多能性がなくなります)。iPS細胞とは、このロックを人工的にムリヤリ解除した細胞のことです。つまり、再び何にでもなれる変身能力を取り戻した細胞のことです。これによりドナー不足の解消などが期待されます。
もっと詳しく知りたい方はググッてください。

なお、iPS細胞と心臓が絡んだ実話では、2020年1月27日の日経新聞に「iPS再生医療、心臓で世界初の手術実施 阪大」という記事があがっていましたので、気になる方はご覧ください。

心筋組織グラフト

心筋組織移植手術の直前に誰かは分かりませんが「高輪先生、京山大学付属病院から心筋組織グラフト持ってきました」と言ってました。グラフトといえば、冠動脈バイパス術などに用いる人工血管のイメージが強いですが、本来の意味は「移植される組織や臓器(の一部)」です。

東京大学大学院博士課程医学系研究科から「それっぽい論文(※3)」があったので参考にしてみてください。

同時爆破テロの現場に喜多見チーフ到着

MERのメンバーが頑張っているのを知って「もう一度医者としてできることをやる」と決意した喜多見チーフが現場に到着します。その中で「骨盤動揺ありますのでサムスリングの処置します」というセリフがありました。

骨盤動揺とサムスリング

「骨盤動揺」というキーワードで調べても具体的な意味が分からなかったのですが、おそらく「不安定型骨盤骨折」の類(一歩手前ぐらい?)だと思います。←間違えてる可能性があるので、一応ここから先の説明は「骨盤骨折」の話だと思っておくことをおすすめします。

骨盤は、腸骨、恥骨、坐骨、仙骨で構成されており、これらに囲まれた部分を骨盤腔といい、骨盤腔を形成している輪郭を骨盤輪といいます。

骨盤腔には次のような臓器があります。

  • 男性・・・膀胱、前立腺、精嚢、直腸など
  • 女性・・・膀胱、子宮、卵巣、直腸など

そして骨盤の内壁に沿って、動脈、静脈、神経が、また仙骨前面の後腹膜腔には静脈叢(じょうみゃくそう=静脈の集まり)があります。
要するに骨盤には大切な臓器と大量の血液があるということです。

そんな骨盤がハデに骨折をすればどうなるか…。今までMERのコラムを読んでくれた人なら分かるのではないでしょうか。外観では分からないものの血液が一瞬にして失われ、急激に血圧が下がり、出血性ショックで心停止に向かって一直線でございます。

骨盤骨折には、安定型と不安定型があります。亀田メディカルセンターのサイトによると、次のような違いがあるようです(※4)

  • 安定型・・・骨盤輪の輪状構造の破綻がなく、大量出血の可能性は少ない。
  • 不安定型・・・輪状構造の破綻があり、大量出血の可能性がある。

サムスリングは、骨盤を固定するためのベルトみたいなヤツです。

骨盤骨折の写真やサムスリングの使い方については「こちら(※5)」が参考になると思います。

おわりに

1話から最終話まで頑張って書いてみました。
でも実は、個人的にまだまだ詳細を書きたい部分がありまして・・・輸液とか気管挿管とか・・・それはまた時間のあるときに別のコラムで書こうと思います。
今まで読んでくださった方々、ありがとうございました♪

参考

※1 青森県ドクターヘリスタッフブログ https://bit.ly/3hrcM9w
※2 外科医の視点 https://bit.ly/3hrMXWI
※3 東京大学大学院博士課程医学系研究科 https://bit.ly/3k8Ef16
※4 亀田メディカルセンター https://bit.ly/392Ea8S
※5 JPTEC 協議会 https://bit.ly/3C6QPnR

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】私も過去に仙骨を軽くやってしまっていて、いまだに長時間座り続けると鈍痛を感じます。

ゆうたんの他の記事を見る  「医療/健康」の記事をもっと見る  「TOKYO MER」のコラムを見る

 

 

1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (まだ評価がありません)
読み込み中...