TOKYO MER 第7話 の備忘録

ども、ゆうたんです。

TOKYO MERの第7話です。

  • 私は医療を学んだことがないド素人であること。
  • 一部、ネタバレを含むこと。

上記2点にご注意の上、お読みいただけると幸いです。

登場人物等

簡単に登場人物等を確認しておきましょう。

<MER>

現場へ駆けつけるメンバーです。

  • 喜多見チーフ・・・主役。スーパードクター。
  • 音羽先生・・・腕のいいドクター。官僚。
  • 比奈先生・・・研修医。
  • 夏梅さん・・・優秀な看護師。
  • ミンさん・・・看護師。
  • 冬木先生・・・麻酔科医。
  • 徳丸くん・・・臨床工学技士。

現場へ駆けつける時の車の種類

  • TO1・・・車内で手術ができる救急車両。でっかいトラック型で普段はERカーと呼んでいる
  • TO2・・・普通の乗用車タイプの救急車両(パトカーみたいなイメージ)
  • TO3・・・バイク型の救急車両
<その他>
  • カルナ・・・体調不良を起こしている外国人労働者(4名の中で一番軽症)。日本語喋れる。
  • 谷中社長・・・現場の社長(体調不良ではない)
  • マルジ・・・カルナの兄
ストーリー

第7話の現場は、めまいや吐き気、意識障害の外国人労働者が4名がいる清掃会社です。出動要請が定時後&おそらく集団食中毒だろうという予想のもと、ひとまず喜多見チーフ、ミンさん、冬木先生の3人でTO2に乗り、現場へ向かうことに。

現地到着後、様子がおかしいと察した喜多見チーフがカルナに「Sir, do you know what happened to them?」と尋ねます。カルナが口を開こうとすると谷中社長が「食あたりとかそんなんですから、いいですって、大騒ぎしなくても!」と割って入ります。

病院へ搬送しようとすると、今度は「現場の指揮権は警察側にある」と警察側の人間が邪魔してきます。「命を救うのに指揮権も何も…」と反論する喜多見チーフに、遅れて来た音羽先生が「従いましょう。大きな力が動いています」と促します。

(のちにLP9というテロ組織から犯行声明文が出されていることが明かされました)

全身痙攣

病院への搬送ができない中、1人が全身痙攣を起こします。

喜多見チーフは次の指示を出します。

  • アンビュー(人工呼吸器具)と気管挿管の準備
  • ジアゼパム2筒
  • レベチラセタム
ジアゼパム

ジアゼパムは痙攣を起こした際によく使われる薬品です。

  • 精神安定化作用
  • 筋弛緩作用
  • 抗痙攣作用
  • 睡眠増強作用

などがあります。(※1)
コラムでは書いていませんが実は第6話でも登場していました。

レベチラセタムとてんかん発作

レベチラセタムは、てんかん発作に適応する薬です。(※2)
てんかんは、脳の中で発生する電気的な興奮により繰り返される発作を意味します。興奮が発生する場所によって様々な症状があります。以下、てんかんinfo(※3)のサイトを参考。

  • 間代発作・・・手足をガクガク一定のリズムで曲げ伸ばしする(痙攣)
  • 強直発作・・・手足が突っ張り体が硬くなる
  • 欠神発作・・・短時間の意識消失
  • ミオクロニー発作・・・全身または手足が一瞬ピクッと動く
突然の爆発

4名の身柄拘束云々で警察ともめていると突然、爆発が起こります。当然のように爆発が起こった建物内へと向かう喜多見チーフ。危機管理対策室にレスキュー隊の応援を依頼します(喜多見チーフの予想ではTNT火薬を用いた爆発)。喜多見チーフがカルナさんにヒアリングをして次のことが判明します。

  • 外に出てたのはビザを持ってる4人で地下に16人いる
  • 変なガスが出て具合が悪くなった(嘔吐など)

そんな中、マルジが発見されます。右の肺が潰れており開胸オペが必要だが機材がなく、ここでの開胸は無理!となっているタイミングでERカー(TO1)に乗った徳丸くん、夏梅さん、比奈先生が到着。手術が開始されるまでの間に次の指示が飛びます。

  1. 両上肢からライン確保
  2. FASTで心臓と腹部の確認→問題なければ左側臥位に体位変換
  3. 麻酔は分離肺換気
  4. O型プラスの輸血(第2話のコラム参照)
  5. 気管支ブロック設置完了
  6. 輸血はレベル1で体温管理
  7. リニアステープラーのブラックとホワイトの準備
  8. 後側方第五肋間の開胸止血術開始
FAST

2のFASTとは、エコー検査で体内に出血があるか確認することです。一般的には下図の順番で検査を行うようです。(※4)

体位

同じく2の左側臥位(ひだりそくがい)というのは、左腕を下にして横向きに寝かせることです。仰向けに寝かせることは仰臥位(ぎょうがい)と言ったりします。

他にも、倒れている人を見かけた場合に口の中に嘔吐物等があった場合、窒息を防ぐために回復体位にすることがあります。Wikipedia(※5)では回復体位について次のように解説されています。

応急処置の際に、一次救命処置と二次救命処置の間など、要救護者の処置後に取らせる姿勢のこと。救急医療などの現場にて、「失神している」「意識がもうろうとしている」など意識障害のある要救護者の生命の安全を図るためのもので、急な様態の変化などが起こっても大事に至らないよう配慮された姿勢である。

図にするとこんな感じ。

分離肺換気と気管支ブロッカー

3の分離肺換気および気管支ブロッカーは冬木先生役の小手伸也さんのTwitterの説明が分かりやすいです。

 


リニアステープラー(ホッチキス)は開胸直後、どこに使うのか分かりませんでした。ブラックとホワイトの違いもよく分かりません…。

地下で発生したガスは神経ガス

マルジの手術が終わり容態も安定した頃、地下で使われたのは有機リン系の神経ガスだと判明。喜多見チーフは次の指示を出します。

  • PAM
  • 硫酸アトロピン
有機リン

有機リンは、殺虫剤や農薬などに使われることがあります。1995年に発生した地下鉄サリン事件を知っている方ならイメージしやすいかと思います。中毒に陥ると、頭痛、痙攣、発汗、嘔吐、失禁、縮瞳などの症状がみられ、死に至ることがあります。

有機リン中毒の解毒剤としては、プラリドキシムヨウ化メチル(商品名:PAM)や硫酸アトロピンが挙げられ、地下鉄サリン事件の治療にも用いられたそうです。(※6)

被ばくと対処法

神経ガスや有機溶剤といった危険物に被ばくする原因は主に2パターンあります。

  1. 皮膚からの吸収
  2. 粘膜からの吸収(呼吸器、消化器、眼)

皮膚から吸収された場合、毛細血管から血液中に入ってしまいます。そのため、できるだけ早く水道水で洗い流しましょう。また作業服等に付着した場合は、できるだけ早く脱ぎ水道水で洗い流したあと、新しい作業服等に着替えましょう。

呼吸器による被ばくが疑われる場合、無防備に倒れている人のもとへ近づいてはいけません(助けに行ったあなたまで被ばくする可能性があります)。特に何も無いと思われるところで複数名が同時に倒れた場合、呼吸器による被ばくが疑われます。酸素濃度18%以上の防毒マスクや直結式小型防毒マスクを準備の上、その空間を換気するか倒れてる人たちを安全な場所へ移動させましょう。暗い場所だからといってライター等の使用は厳禁です。爆発します。懐中電灯のスイッチ操作で爆発することもあるので、懐中電灯のスイッチの操作は安全な場所で行います。

通常、消化器からの被ばくは誤飲または自殺のどちらかでしょう。無理に吐かせず、腸への流出を防ぐため左側臥位の状態ですぐに119番通報しましょう。

目に入った場合、すぐに水道水で洗い流すのですが、注意点があります。台所や洗面所にあるような上から下へ流れる水を使う場合、溶剤等が入った目を下流側にして洗います。上流側にして洗うと水に流された溶剤が反対の目に入ってしまいます。

おわりに

ストーリーとしてはもう少し続くのですが、それほど目新しい処置等もなかったので、今回はこの辺で。
喜多見チーフ役の鈴木亮平さんの英語力が活かされた回でしたね。私も英語できるようになりたい。

参考

※1 KEGG MEDICUS https://bit.ly/384AwuS
※2 東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座 https://bit.ly/3B14MmP
※3 てんかんinfo https://bit.ly/3zctrnO
※4 株式会社クイック 看護roo! https://bit.ly/3mno4i9
※5 Wikipedia https://bit.ly/3j6FBsM
※6 Wikipedia https://bit.ly/3D7wgsM

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】「被ばくと対処法」の項は、有機溶剤作業主任者の資格で得た知識内容を書いてます。

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