TOKYO MER 第6話 の備忘録

ども、ゆうたんです。

TOKYO MERの第6話です。

  • 私は医療を学んだことがないド素人であること。
  • ネタバレを含むこと。

上記2点にご注意の上、お読みいただけると幸いです。

登場人物

簡単に登場人物を確認しておきましょう。

<MER>

ERカー(作中に出てくる手術ができる車)で現場へ駆けつけるメンバーです。

  • 喜多見チーフ・・・主役。スーパードクター。
  • 音羽先生・・・腕のいいドクター。
  • 比奈先生・・・研修医。
  • 夏梅さん・・・優秀な看護師。
  • ミンさん・・・看護師。
  • 冬木先生・・・麻酔科医。
  • 徳丸くん・・・臨床工学技士。
<その他>
  • 壮太くん・・・冬木先生の息子。
ストーリー

第6話は、山の中での遭難事故です。オリエンテーリングのために入山した小学生18名が行方不明になりました。

チーム分け

今回の遭難事故の現場は初心者用の登山道でしたが、18名全員がコースから外れてしまいました。現場の気温は33度で熱中症も心配な状態です。捜索範囲が広いため、「音羽先生・ミンさん」「比奈先生・夏梅さん・徳丸くん」「喜多見チーフ・冬木先生」の3チームに分かれて、点滴とモニターの準備をして捜索開始です。

熱中症

全日本病院協会(※1)のサイトによると熱中症は次のように定義されています。

体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。

大人であれば自己管理できますが、子どもの場合は症状がうまく伝えられない可能性があります。勘違いしやすい症状の1つに「汗をかいていない」というのがあります。「汗をかいていない状態で触ると熱い」というのは熱中症が重症化している可能性があるので、見た目だけで汗をかいてないから大丈夫と判断しないように注意しましょう。

また水分補給することが大切ですが、カフェインが多く含まれる飲み物(コーヒーや緑茶など)やアルコール類は利尿作用があるため、可能なら経口補水液などを準備しましょう。

その他、熱中症が疑われる場合は次のような対策をとるといいでしょう。

  • 日陰で風通しのいい場所や冷房が効いている建物内に避難する。
  • 厚着している場合は衣服を脱ぐ。
  • 体の表面に水をかけて、うちわ等であおぎ、体を冷やす。
  • 氷嚢などの冷たいものを、皮膚の近くを通っている動脈部分(わきの下、脚の付け根など)にあてる。
  • 症状が改善されない、全身けいれんしている場合はすぐに119番し、一言目に「救急です」と伝える。
  • 意識がなく、呼吸がおかしい場合には、必要に応じて一次救命処置(気道確保、心臓マッサージ)を行う。
コースから外れた理由

各チームの捜索エリアから児童13名までが発見され治療を施していく過程で、喜多見チーフと音羽先生は、児童たちがコースから外れた原因はスズメバチだと判断します。

蜂毒アレルギー

ヴィアトリス製薬株式会社(※2)の情報によると、蜂毒によるアレルギーについて次のように記されています。

蜂に刺された場合に、蜂毒にアレルギーがなければ、刺された箇所に軽い痛みやかゆみ、腫れなどが起こり(局所症状)、数日程度で消えていきます。

しかし、蜂毒にアレルギーがあると、刺された人の約10~20%が、全身のじんましんなどの皮膚症状や嘔吐、浮腫(むくみ)、呼吸困難などが起こるアナフィラキシーを引き起こすといわれています。そのうち、数%は意識障害や急な血圧低下によるアナフィラキシーショックを起こすとされ、命に危険がおよぶ確率が高くなります。

また作中では喜多見チーフが「ハチ毒によるアレルギーが一度出た人は二度目に刺されると重篤率が格段に上がります。数時間から数分のうちに血圧低下で意識を失い、最悪の場合、心停止や喉が腫れて窒息死に至ります」と言ってます。

花粉症のコラムでも書きましたが、抗原(今回の場合は蜂毒)が体内に入ると、それに反応して抗体が作られ、感作状態(アレルギー反応を引き起こしやすい状態)になります。その後、再び抗原が入ってくるとヒスタミンなどが放出されて症状があらわれます。よく「蜂に刺されるのは二回目以降が危険」と言われるのは、このようなメカニズムがあるからです。

しかし、中には1回も刺されていない状態であっても抗体を持っている人がいます。そのような人は1度目であっても注意が必要と言われています。病院等で抗体があるか調べることはできるようですが、ほとんどの人は調べたことがないと思いますので、いずれにしても蜂がいそうな場所には近づかないのがベストだと思います。

蜂に刺された壮太くん

まだ見つかっていない児童のリストがMERに送られ、そこには冬木先生の息子である壮太くんが含まれていました。そして危機管理対策室から「残る5名の児童は全員ハチに刺されているようです」と伝達が入ります。

冬木先生と壮太くんは過去に家族で山登りをした際、スズメバチに刺されて2人ともハチ毒のショック症状で緊急搬送された経験がありました。

今回壮太くんが蜂にさされてから既に8時間近く経っています。慌てて闇雲に探そうとする冬木先生を喜多見チーフが制止し「ハチに刺された時 壮太君に何か教えたこととかありませんか?」と尋ねます。

蜂に刺されたときの対処法

冬木先生は2つのことを教えていました。

  • 刺されたらすぐにハチ毒を絞り出す
  • 水で洗う

この会話で壮太くんは水を求めて移動した可能性があることに気づきます。MERの他メンバーおよびレスキュー隊に水場も探すよう情報共有され、引き続き捜索します。

大阪府医師会(※3)のサイトによると蜂に刺されたときは次の処置が推奨されています。

①刺された傷口を流水でよく洗い流す。ハチの針が残っている場合は、そっと抜く。
②傷口から毒をしぼり出す。口で吸った場合、毒は必ず吐き出しましょう。
③抗ヒスタミン軟膏などを塗り、冷やす。
④息苦しさや口の乾き、冷や汗、めまい、血圧低下、しびれ、嘔吐、じんましんなどのショック症状が現れた場合は、一刻も早く救急病院で医師の診察を受ける。

②の毒のしぼり出しには「ポイズンリムーバー」などを使用するといいでしょう。インターネットで簡単に購入可能です。
③については、個人的には抗ヒスタミン成分のみの軟膏よりもステロイド軟膏の方が効きそうな気がします。蜂毒には強い毒性があり、市販薬だけでは抑えきれない可能性は高いですが、それでも無いよりかはあった方がいいので、一応確認しておきましょう。

ステロイドにはその強さによって5つのランクがあります。

  • ストロンゲスト(Ⅰ群)
  • ベリーストロング(Ⅱ群)
  • ストロング(Ⅲ群)
  • ミディアム(Ⅳ群)
  • ウィーク(Ⅴ群)

名前から想像できるように、ストロンゲスト(Ⅰ群)が最も効き目が強いです。ストロンゲスト(Ⅰ群)とベリーストロング(Ⅱ群)は医師の処方が必要ですが、ストロング(Ⅲ群)以下は市販されていますので気軽に手に入れることができます。なお、各ランクのステロイド成分の詳細は、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(※4)などに記載されています。

音羽先生・ミンさんチームの対応

水場を探すよう指示され小川を捜索中、児童4名が発見されます。ドラマなので当然壮太くん以外の4名です。その4名のうちの1人は足を骨折しています。音羽先生がミンさんに「シーネ出して弾性包帯で固定」と指示します。

骨折時の応急処置

警視庁警備部災害対策課のTweetにて骨折時の応急処置が掲載されていましたので共有します。

警視庁警備部災害対策課のTweetは結構役立つ情報が多いのでフォローしておくといいかもしれません。

骨折時の固定具

骨折時の固定具として真っ先に思いつくのがギプスだと思いますが、シーネも固定具です。

  • ギプス・・・患部全体を覆う。
  • シーネ・・・患部の固定に使う添え木のようなもの。
包帯

包帯にはいくつか種類があります。

  • 伸縮包帯・・・伸縮性と通気性に優れている。ガーゼの固定など傷口の保護などに使用される。
  • 弾性包帯・・・弾性圧縮包帯とも言われており、伸縮性と圧迫感がある。患部の固定・圧迫などに使用される。
壮太くん発見

音羽先生が保護した4人の児童の証言により、壮太くんは30分ほど前に添え木を探しに行ったが呼吸が苦しそうだった、という情報が入ります。冬木先生が必死になって探していると、倒れている壮太くんを発見します。

エピペン

倒れている壮太くんを発見した冬木先生はすぐさま駆け寄り、壮太くんの太もも前外側にエピペンを注射します。

エピペンの中にはアドレナリンが入っていますが、アナフィラキシーを根本的に治療するためのものではなく、症状を一時的に緩和するための注射なので、私たちがエピペンを利用した際は、すぐに病院へ行かなければなりません。ピロ亜流酸塩も含まれていますがピロ亜流酸塩アレルギーであっても緊急時にはエピペンを使用します。利用方法は次の通りです。


壮太くんは幸い意識はあり、親子で感動の再会を果たしますが、それも束の間、蜂の大群が押し寄せます。壮太くんを抱きかかえて逃げようとする冬木先生ですが、蜂にさされてしまいます。大人は子どもよりも蜂毒による強いアレルギー反応が起きやすいためか(※5)、壮太くんを抱きかかえたまま坂道を転げ落ちてしまいます。

ERカーに運ばれる壮太くん

転げ落ちた衝撃で壮太くんは頭から出血してしまいます。喜多見チーフが現れ、冬木先生の太ももにエピペンを刺し、すぐさま壮太くんのもとへ行き、目にペンライトをかざし、対光反射を確認します。結果は、瞳孔不同でした。タイミングよくレスキュー隊とも合流し、喜多見チーフと壮太くんはERカーへ。喜多見チーフが一人でオペ準備をしているところに冬木先生が到着。喜多見チーフの心配をよそに冬木先生は「麻酔導入と人工呼吸管理は私がやります」と宣言し、オペ開始です。

開頭術と換気補助

まずは頭に穴を開けます。第1話では手回しドリルを使っていましたが今回はERカーの中なので電動ドリルでした。電動ドリルは骨を通過後は回転せず脳を傷つけない仕様になっているらしいです。

喜多見チーフが開頭術をしている間、冬木先生はバッグで換気補助をしています。この理由については冬木先生役の小手伸也さんのTwitterに書かれていました。

心タンポナーデ

換気補助をしている冬木先生が喜多見チーフに「空気を入れる時、血圧が下がります」(作中では102/80から79/56に変化)と心タンポナーデの疑いがあることを報告します。医療ドラマではお馴染みの心タンポナーデ。壮太くんも例に漏れず、エコーで心嚢液の貯留が確認できました。

心タンポナーデになると、血圧が急速に低下します。そのため、ドレナージするか開胸するかの方法で心嚢液(血液)を抜かなければなりません。作中でも、エコー確認中に65/43まで低下しました。(ドレナージについては第2話のコラム参照)


喜多見先生はドリルで2カ所目の作業を行いながら「心嚢穿刺でドレナージします。消毒してドレープかけてください。ドレープ終わったら針もください」と指示を出します。針を受け取った喜多見チーフは右手で頭の手術を行いながら、左手で心嚢穿刺を試みます。

喜多見チーフがスーパープレイをしているのと同時に、冬木先生は血圧低下を防ぐため昇圧剤(血圧を上昇させる薬)を入れます。喜多見チーフは血腫が固まっていて左手だけではドレナージできない状態(血が抜けない)です。そしてさらに血圧が低下します(53/37)。喜多見チーフが両手を使ってドレナージを試みるもダメ、冬木先生が壮太くんの目を確認すると両眼とも瞳孔散大に…(昇圧剤で脳圧が上がった)。冬木先生はもう「壮太・・・壮太・・・」しか言えなくなってます。

頭の血腫の除去もまだできてないし、注射器では心嚢液の除去もできない状態、完全に人手が足りずヤバイ!というタイミングでMERのメンバーがERカーに戻ってきます。音羽先生と比奈先生に心膜開窓術(心嚢内血腫のドレナージ)を依頼して、喜多見チーフは開頭血腫除去を行うのでした。

おわりに

冬木先生にスポットライトがあたる回でしたが、最後の喜多見チーフの両手同時手術で全部持っていかれた感じがします(笑)

今回は熱中症の対策や蜂に刺された時の対処法、骨折時の応急処置など、私たちも知っておいて損はない情報が多かったので、もし機会があれば視聴するのもいいかもしれません。

参考

※1 全日本病院協会 https://bit.ly/2War8DF
※2 ヴィアトリス製薬株式会社 https://bit.ly/3szxCrA
※3 一般社団法人 大阪府医師会 https://bit.ly/3z1b8C0
※4 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018 https://bit.ly/2W0ZZmH
※5 北海道新聞 https://bit.ly/3y0M10T

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】小学生の頃にハチの巣を落として遊んでた私はきっとトチ狂ってたのだと思います、今は昆虫の類が大の苦手です。

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