TOKYO MER 第2話 の備忘録

ども、ゆうたんです。

第1話に引き続き、第2話も書いていこうと思います。

  • 私は医療を学んだことがないド素人であること。
  • 一部、ネタバレを含むこと。

上記2点にご注意の上、お読みいただけると幸いです。

登場人物

簡単に登場人物を確認しておきましょう。

  • 喜多見チーフ・・・主役。スーパードクター。
  • 音羽先生・・・腕のいいドクター。
  • 比奈先生・・・研修医。
  • 夏梅さん・・・優秀な看護師。
  • ミンさん・・・看護師。
  • 冬木先生・・・麻酔科医。
  • 徳丸くん・・・臨床工学技士。
工場現場での鉄骨落下事故

第2話の1つ目の現場は工場での鉄骨落下事故です。鉄骨が落下し、通学中の学生数名がその下敷になってしまう事故が発生します。現場に駆け付けた喜多見チーフは下敷になっている子どもたちのトリアージを行います。

胸腔ドレナージ

トリアージ中に鉄骨の下敷になっている男の子の呼吸がおかしいことに気づきます。喜多見チーフは「痛いところはあるかな?」と確認します。男の子は「胸が…」と答えます。頸静脈怒張(?)の確認、聴診等をした結果、喜多見チーフは比奈先生に「胸腔ドレーン」、夏梅さんに「消毒と局所麻酔と切開縫合セット」、ミンさんに「点滴」を指示します。指示後、喜多見チーフにシャツを開けられた男の子の右胸は赤くなっていました。

夏梅さんとミンさんはちゃちゃっと準備をし喜多見チーフのところに駆けつけます。夏梅さんが「消毒します」と宣言しながら、イソジン色の液体を脱脂綿につけて塗り塗りします(イソジン色の液体は消毒だったのですね←第1話のコラム参照)。喜多見チーフも胸腔ドレナージを進めていきます。しかし比奈先生は、喜多見チーフの頭上で揺れ動いてて今にも落ちてきそうな鉄骨がこわくて喜多見チーフのもとに足を進めることができません。夏梅さんが比奈先生に駆け寄り胸腔ドレーンを奪うと、喜多見チーフは比奈先生に「こっちは大丈夫ですから…気管挿管と蘇生セットの準備をしてください」と指示します。

比奈先生が渡せなかった胸腔ドレーン。これは、胸腔(肺と胸壁の間の空間)から排気(空気を出す)または排液(水とか血とかを出す)する目的で使用します(排気または排液することをドレナージと言います)。作中にセリフ等で説明がなかったので断言はできませんが、ドレーンを突っ込んでる位置が乳頭よりも下に見受けられたので排液の可能性の方が高いと思います。

クラッシュ症候群

比奈先生とミンさんが、トリアージ後(黄色タグ)にバックボード(担架みたいなやつ)で横になっている女の子に近づきます。バックボードに体を固定するベルトをきつくしようとする比奈先生は女の子の右脚が変色(チアノーゼ)していることに気づきます。喜多見チーフが行ったトリアージの紙にも「クラッシュ症候群に注意」の旨が書かれています。比奈先生が救助隊に病院搬送を依頼しているところに喜多見チーフが来て「(病院ではなく)ERカーに運びます」と宣言し、女の子にクラッシュ症候群について説明します。

クラッシュ症候群は、何かの下敷きになる→筋肉が圧迫される→圧迫され続けるとカリウムなど毒性のある物質が筋肉から漏れる→救出により重量物を移動させる→筋肉の圧迫が解放される→血流に乗り毒素が全身に放出される、というものです。(詳細は「過去のコラム」を参照)

ERカーに運びながらミンさんに、生理食塩水、乳酸リンゲル液、重炭酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム注射薬を指示します。

車内で次々に処置が行われます(私には早すぎてついていけません…)。そんな中、心停止します。すぐに心拍再開しますが、血圧が上がらない状態です。喜多見チーフは「クラッシュ症候群による高カリウム血症」と判断し、「心臓へのカリウムの流れを弱めます」と仲間に宣言します。比奈先生は「検査もしてないのに!」と喜多見チーフに意見しますが、喜多見チーフは「心停止前に高カリウム血症特有の波形を示しました」と答えます。

喜多見チーフの言う「高カリウム血症特有の波形」というのは、おそらく「T波が高くなりQRS波の間隔が少し長くなる」のことを言ってるのだと思います。

クラッシュ症候群では、高カリウム血症への迅速な処置が最優先されるはずです。高カリウム血症の症状としては、吐き気、しびれ感、筋力低下、不整脈などが挙げられ、カリウムの値が一定以上になると心臓機能に異常を起こす危険性が生じます。今回のケースがまさにそれですね。

その後、喜多見チーフはグルコン酸カルシウムの全開点滴など次々と指示を出します。比奈先生以外、皆さんテキパキ動きます。早すぎて全く分からん…。

  • ナントカ療法(GI療法?)
  • ナントカ液(ブドウ糖液?)
  • インスリン10単位(←これは聞き取れました)

などなど。高カリウム血症の治療方法なんてブドウ糖とインスリンを突っ込むGI療法しか私は知らん。

近江八幡市立総合医療センターのサイトにGI療法のことが説明されていたので引用(※1)

<GI療法とは>
インスリンは血中のブドウ糖を細胞内に取り込んで血糖値を下げる。この際ブドウ糖が細胞内に取り込まれる過程で、血清中のカリウムが同時に細胞内に取り込まれる。
この性質を利用して高濃度ブドウ糖液とインスリンを同時投与することで、血清中カリウム濃度を下げようとするのがGI療法である。

さて、どんなに優秀なスタッフが揃っていても、車内での対応なので点滴などの在庫には限界があります。透析液などが底をつきそうになってヤバイ!・・・というタイミングで音羽先生が透析液と乳酸リンゲル液を持って登場し、女の子は無事でした。実は現場到着時にクラッシュ症候群を見越した喜多見チーフに透析液を大量に用意するよう指示されてたようです。

祭り会場での爆発事故

次の現場は、お祭り会場です。屋台の燃料タンクが爆発・炎上した現場で、負傷者の数が多く、喜多見チーフも音羽先生も手一杯です。比奈先生が一人でトリアージするハメになりました。

女性が急に倒れます。近くにいた比奈先生が駆け寄ると小刻みな呼吸をしています。触診で腹部臓器の損傷を疑う比奈先生、夏梅さんからエコーを借りて確認します。エコーの結果、比奈先生の予想通り腹部で出血が確認できました。血圧は78/54まで下がっています。

比奈先生はこの患者さんをERカーに運ぶことを決めます。ミンさんに点滴2本を確保するよう指示します。比奈先生は、ERカーへ搬送後、喜多見チーフや音羽先生に手術を丸投げするつもりだったのですが、残念ながら他の患者さんの手当でERカーに戻れないと言われてしまいます。こうして、比奈先生一人で緊急開腹手術を行うことになりました(喜多見チーフと音羽先生以外の仲間はいますが医師は比奈先生一人だけ)。

手術前の手洗いが終わった比奈先生は仲間にゆっくり指示します。

  • 全身麻酔<冬木先生>
  • モニターセットと電気メスの準備<徳丸くん>
  • 開腹セットの準備<夏梅さん>
  • 吸引の準備<ミンさん>

ガッチガチに緊張してる比奈先生を見かねた夏梅さんが深呼吸を促します。そして輸血をするか比奈先生に確認した上で「RCC輸血の準備しますね」と言ってくれます(夏梅さん、ホントに優秀)。

手術台の前に立った比奈先生はまず出血箇所を触診で探ります。そして「メスで腹部正中をTrauma incisionで大開腹します」と宣言。

青森県ドクターヘリスタッフブログ(※2)によると、Trauma incisionとは、みぞおちから恥骨近くまで開腹することを意味するようです。

腹部正中切開法

夏梅さんに器械出しを依頼して、いよいよ比奈先生のオペ開始です。

  1. メスで正中切開
  2. 開創器で切開したところを固定
  3. ガーゼでおさえながら鞍状鈎(あんじょうこう)でお腹をひく(術野の確保)
  4. 吸引しながら鑷子(せっし=ピンセットのこと)の使用
  5. 腸間膜からの出血と判明
  6. ペアンで血流を遮断

3でミンさんに手伝ってもらいつつ、出血が止まった!

・・・かのように見えました。しかし、モニターからポーンポーンとイヤな音が鳴り響きます。血圧を確認すると65/48で倒れた時よりも下がってます。実は他にも出血箇所があったんですね。慌てて出血箇所を探す比奈先生。なかなか出血箇所が分かりません。挙句「脾臓…だと思います…。脾臓の外側を電メスで後腹膜から切り離し確認します」とか言い出します。みんなが不安で緊張感高まる中、電気メスを握り脾臓に近づけたその時・・・喜多見チーフがERカーに戻って来てくれました。

喜多見チーフが右手をお腹の中に突っ込み確認します。そしてわずか数秒で「左の腎臓ですね」と言い放ちます。ここからは完全に喜多見チーフのペースです。私はもうついていけません。

・・・と思いながら聞き取れるわずかな単語をググってたら、とんでもない神ブログ(※3)を発見しました。セリフを全てテキスト化してくれてます。完全に字幕だわ。感謝感激雨霰です!

せっかくなので、このシーンの喜多見チーフのセリフを確認してみました。

  1. O型プラスの濃赤とABプラスのFFPを6単位ずつ
  2. マトックス法で左後腹膜を脱転
  3. 左の腎動静脈の確保と腎検索

とか言ってたらしいです。んなもん早口で言われても分からんわ。文字で見ても知らん言葉がいっぱい。

輸血(赤血球濃厚液とFFP)

1は輸血の話ですね。調べてみたら濃赤というのは赤血球濃厚液の略語(非公式な略し方)だと分かりました(※4)。赤血球濃厚液は、手術前に夏梅さんが言ってたRCC輸血のことですね(赤血球濃厚液もRCCも同じ製品名を意味している)。これは、急速に血を補って体全体へたくさんの酸素を供給する目的で使用されます。そして緊急を要する場合には「O型 Rh+」を使用します。また、赤血球濃厚液の1単位は140mlなので、今回の場合は840mlですね。

FFPというのは新鮮凍結血漿のことで、血漿因子(特に凝固因子)を補充して止血を促進させる目的で使用するそうです(※5)。またFFPの1単位は120mlなので、今回の場合は720mlですね。

輸血の製剤には、赤血球製剤(赤血球濃厚液など)、血漿製剤(新鮮凍結血漿など)のほか、血小板製剤(濃厚血小板)があります。濃厚血小板は5単位で約100mlです。

後腹膜アプローチ

2のマトックス法(Mattox法)というのは、左側からの後腹膜アプローチの方法らしいです。ちなみに右側からの後腹膜アプローチはCattel-Braasch法というらしいです(※6)。そんな言葉、初耳です。

また脱転というのは、手術のために臓器等を少し動かすことを意味するそうです(※7)。こんな言葉も初めて知りました。

腎動静脈を縫合し、ペアンでおさえていただけの腸間膜の結紮も終え、無事オペは終了しました。

おわりに

過去の放送分なのでParaviで見ているのですが、専門用語多発のドラマで字幕無しはキツイっすね・・・。でも、神ブログを見つけたので次回からはもう少し早めにコラムを書きあげることができると思います。

参考

※1 近江八幡市立総合医療センター https://bit.ly/3CRMPbZ
※2 八戸市民病院「青森県ドクターヘリスタッフブログ」 https://bit.ly/3iK3yGj
※3 ドラマログテキストマイニング https://bit.ly/3m0ay3T
※4 株式会社 中外医学社 https://bit.ly/3yNfzQJ
※5 岡波総合病院 https://bit.ly/3sm6coL
※6 献体外傷手術研究グループ https://bit.ly/2VWkjFB
※7 帰ってきたMURMUR https://bit.ly/2XuEH12

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】間もなくTOKYO MER 第7話がスタートされます。楽しみ!

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