TOKYO MER 第1話 の備忘録

ども、ゆうたんです。

既に6話も放送されていますので出遅れ感がハンパ無いですが、TOKYO MERという医療ドラマにハマッてしまいました。ということで、TOKYO MERから学べる医療の知識を書いていこうと思います。ちなみに、ゆうたんは医療を学んだことがないド素人ですので、鵜呑みにしないでください(むしろ教えてください)。

また、一部ネタバレを含みますのでまだ見ていない方はご注意ください。

登場人物

簡単に登場人物を確認しておきましょう。

  • 喜多見チーフ・・・主役。スーパードクター。
  • 音羽先生・・・腕のいいドクター。
  • 比奈先生・・・研修医。
  • 夏梅さん・・・優秀な看護師。
バスの事故でのトリアージ

TOKYO MERの初出動の現場はバスとトラックの事故現場でした。バスが横転しており、中にはたくさんのケガ人がいます。レスキュー隊員が止めるのを無視してバス内に喜多見チーフが入り込みます。
「皆さん!医師の喜多見です!もう大丈夫ですから安心してください!」と乗客に説明すると、すぐさまトリアージを開始しました。

トリアージ

トリアージとは、本編の解説によると「傷病者の状態に応じて治療の優先順位を決めること」とされていて、手首や腕に下図のようなタグをつけます。

で、肝心の優先順位ですが、次のように決められています。

  • 緑色タグ(何も切り取られていない状態)・・・直ちに治療の必要なし
  • 黄色タグ(緑色が切り取られた状態)・・・入院治療が必要
  • 赤色タグ(黄色まで切り取られた状態)・・・命の危険あり
  • 黒色タグ(赤色まで切り取られた状態)・・・死亡

このトリアージは救急・救命の医療ドラマを見る時には必須の知識です。大勢の負傷者がいる場面ではほぼ100%出てきます。

バス内で心停止していた女の子

バス内で意識がない状態の女の子を発見、その女の子を抱えて外に出た喜多見チーフは女の子の容態を確認して「心停止」と宣言。宣言後、すぐ夏梅さんに「AED」を、比奈先生に「アドレナリン」を準備するよう伝えました。

その後の動きは、映像にしてわずか1分程度で・・・

  1. 喜多見チーフが心臓マッサージ
  2. 比奈先生がアドレナリンの準備にもたつく
  3. 喜多見チーフが比奈先生からアドレナリンを奪う
  4. 喜多見チーフが比奈先生に心臓マッサージをするよう指示
  5. 喜多見チーフが膝下から目分量でアドレナリン注入
  6. 女の子が(多分、心室頻拍(VT)から)心室細動(VF)
  7. 喜多見チーフの指示で夏梅さんがAEDを70Jにセット→ショック
  8. 喜多見チーフが心臓マッサージ・夏梅さんは(多分)バッグバルブマスク(人工呼吸器具)の使用
  9. 女の子、反応あり(目をぎゅっとつぶる)→心室細動(VF)からサイナス(心臓の動きが正常)へ

・・・という流れが展開されました。

ここでは最初に指示があったAEDとアドレナリンに注目したいと思います。

AED(自動体外式除細動器)、心停止、心臓マッサージ

駅やコンビニ、学校などで見かけるAEDですが、これは心臓を動かす機械ではありません。むしろその逆で心臓を止める機械です。なので、AED使用後は、心臓マッサージをする必要があります(後述)。2つのパッドを心臓をはさむようにつけることで自動的に心電図の解析を行い、心室細動(VF)を検出した場合に「心室の痙攣を止めてくれる機械」なのです。

喜多見チーフは「心停止」と言いましたが、この心停止には「心室細動(VF)」「心室頻拍(VT)」「無脈静電気活動(PEA)」「心静止(Asystole)」の4種類があり、一般的にイメージする心停止(モニターの波形がなくなるやつ)は「心静止」に分類されます。

このシーンでは、心室細動(VF)でした。心室細動(VF)とは、心臓の下半分(心室)が痙攣するように震えてしまい全身に血液を送り出せなくなる状態を意味します。だからAEDでその痙攣を止めた、ということです。

なお、駅などに設置されていて私たちが使用できるAEDではJ(ジュール)のセットは出来ず「小児」と「成人」で区別されている程度です。小学校に入学してれば成人として扱っていいでしょう(※1)。

さて、AEDで心臓を止めたあと、そのまま放置しておくわけにはいきません。必ず心臓マッサージをしましょう。

心臓マッサージは、胸の厚みの5cm(乳児・小児なら約3分の1)が沈むぐらいの力で1分間に約100回~120回のテンポで行う必要があります。私のような素人は、このテンポが難しいです。なので、歌を歌うといいでしょう。「アンパンマンのマーチ」を口ずさみながら行うと約100回になるし、SMAPの「がんばりましょう」だと約120回になりますよ。

また心臓マッサージの年齢別目安は次の通りです。(力には個人差があるので、上記の5cmまたは3分の1にあわせましょう)

  • 生後間もない赤ちゃん・・・指2本
  • 1歳~14歳・・・片手
  • 15歳以上・・・両手
アドレナリン

AED心臓マッサージなど誰でも出来る救命処置を一次救命処置(BLS=Basic Life Support)と言うのに対し、薬剤や専門的な器具を使うなど医療関係者しかできない救命処置を二次救命処置(ALS=Advanced Life Support)と言ったりします。

このシーンではアドレナリンを使用しました。アドレナリンは心停止など心肺蘇生時に使用される薬の1つです。心停止の際に使われる薬剤には血管収縮薬と抗不整脈薬の2種類がありますが、今回使用されたアドレナリンは血管収縮薬に該当します。

喜多見チーフがアドレナリンを目分量で用意しているシーンでは、比奈先生が「目分量で!?」と驚いていました。そんな比奈先生に対し喜多見チーフは「抱えた時に体重の検討はつけてます」と答えます。通常、成人であれば1mg(※2)、小児の場合は0.01mg/kg(※3)の量を投与することになります。(ここは完全な想像ですが)おそらく成人であれば1本をそのまま使えるのだと思います。ただ、今回は子どもだったために体重にあわせる必要があったのでしょう。

腹腔内出血の女性

バスの中にもう一人、大変な状態の女性がいました。
夏梅さんが「血圧下がってます、53、下は測れません」と報告すると、喜多見チーフはすぐ「エコーを用意してください」と指示します。体重45kg、年齢40歳前後、エコーで腹腔内に出血が認められ、開腹して出血箇所を止める手術を行おうとしています。

・・・が、超ド素人の私にはそもそも「腹腔」がお腹のどこを指しているのかすら分かりませんでした(笑)・・・調べたところ「横隔膜より下部の腹壁で囲まれた部分である。腹腔内には、消化器系の臓器や婦人科、泌尿器系の臓器が存在する。」と書かれていました。(※4)・・・範囲が広い。

手術の方法をググってみましたが全く分からなかったので、このシーンの中で聞き取れた器械について記載しておこうと思います。(一部、聞き取れませんでした)

鉗子(かんし)

鉗子とは、ハサミみたいな形状で刃がついていないものです。使用目的は「切る」ではなく「掴む」「はさむ」です。使用時には指を通す内側にあるラチェットにより「カチッ」と音がなります。

  • ケリー鉗子・・・深い部位・軟らかい部位・血管周囲での組織剥離や結紮(けっさつ=血管を縛って止血すること)時の糸の受け渡しに使われる鉗子です。繊細な作業に適しています。
  • ペアン鉗子・・・動脈の切離面を圧挫させて止血するのに使われる鉗子です。ケリー鉗子同様、組織剥離や結紮糸の受け渡しにも使用されますが、ケリー鉗子よりも先端が太いため、繊細な作業には適しません。
  • コッヘル鉗子・・・このシーンでは出てきてなかったと思いますが、ケリー、ペアンときたら、コッヘルも紹介したいと思いました。コッヘル鉗子は硬い組織の血管を止血するのに適しています。鈎(こう=かぎ状の突起)があるので、軟らかい組織を掴むと穴があく可能性があるため開腹後にはきっと使いません…知らんけど。
  • サテンスキー鉗子・・・太い血管などを遮断(クランプ)するのに適した鉗子です。遮断(クランプ)とは、一時的に血流を止めてあとで血管を解放する(血流を戻す)ときに使う言葉です。それに対して、結紮は基本的に解放しません。
  • 布鉗子・・・喜多見チーフが手術台の前に立って一言目に「●●鉗子」と言ってるのですが、うまく聞き取れず、おそらく布鉗子だろうという予想で書いてます。布鉗子はドレープ(術野を覆う布)などを挟むために使われます。

開創器(かいそうき)

開創器とは、手術するところの組織を広げ、術野を確保するために使用するものです。
このシーンでは、「開創器」としか言われてませんでしたが、開創器にも色々種類はあります。一瞬しか映っていないので自信ありませんがおそらく「ゴッセ開創器」だと思います。開腹時の開創器なんかゴッセ開創器以外知らん(笑)

頭などに使うベッグマン開創器については後述。

剪刀(せんとう)

剪刀とはハサミのことです。
このシーンで喜多見チーフは「クーパー」と言ってました。糸を切るときに使ってましたね。クーパー剪刀の指示を出す前におそらく糸と針の指示を出していると思うのですが聞き取れませんでした・・・。

トラックの中の男性

腹腔内出血の手術がほぼほぼ終わった頃に「バスとぶつかったトラックの運転席に男性が挟まった状態で取り残されている模様、意識レベルJCS20」と連絡が入ります。喜多見チーフと夏梅さんが現場へ駆けつけます。

意識レベル(JCS)

意識レベルにはJCS(ジャパン・コーマ・スケール)、GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)、ECS(エマージェンシー・コーマ・スケール)があります。今回のシーンではJCSが使われていました。

堺市のサイト(※5)によるとJCSは次のように決められているそうです。

  • JCS1:だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない
  • JCS2:見当識障害がある(現在の時刻や場所、周囲の人を正しく認識できない)
  • JCS3:自分の名前、生年月日がいえない
  • JCS10:普通の呼びかけで容易に開眼する
  • JCS20:大きな声または身体をゆさぶることにより開眼する
  • JCS30:痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する
  • JCS100:痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
  • JCS200:痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
  • JCS300:痛み刺激に反応しない

つまり、JCSが・・・

  • 一桁:刺激せずとも覚醒している状態
  • 二桁:刺激すると覚醒する状態
  • 三桁:刺激をしても覚醒しない状態

・・・ということです。上記の数字のあとにアルファベット(R:不穏、I:失禁、A:自発性喪失)を付け足す場合もあります。もし上記を判断できるのであれば救急車を呼ぶ際に使うと状況が伝わりやすいかもしれませんね。

さて、その男性のもとへ駆けつけた喜多見チーフは声をかけるも、その男性は反応しなくなってる状態でした。すぐさま喜多見チーフは胸部打診を行います。左胸部に何かを感じ取ったようです。そのまま瞳孔の確認をすると瞳孔不同(左右の瞳孔の大きさが異なること)になっており急性頭蓋内血腫だと診断しました。レスキュー隊員の救助(トラックをエンジンカッターで切断)と同時並行でトラックに挟まった状態のまま手術をすることに・・・絶対危ないやつ。

急性頭蓋内血腫と緊張性血胸

頭蓋内血腫は頭の中に、血胸は肺と胸壁の間に血が溜まってる状態を意味します。そして、それらの血は早めに抜かないと色々問題が発生します。

頭蓋内血腫には主に3種類あります。

  • 硬膜外血腫・・・頭蓋骨と硬膜の間で血がたまる
  • 硬膜下血腫・・・硬膜とくも膜の間で血がたまる
  • 脳内血腫・・・脳の内部に血がたまる

どの頭蓋内血腫かは分かりませんでしたが、その後の映像では次の流れで頭蓋内血腫と血胸を同時対応していきます。

  1. 男性の髪を剃る<喜多見チーフ>
  2. 1にイソジン色の液体をかける(消毒?麻酔?)<喜多見チーフ>
  3. メスで1の部分を切開<喜多見チーフ>
  4. ベックマン開創器で術野を確保<喜多見チーフ>
  5. 夏梅さん患者の頭を抑える(救助活動でトラック揺れるから)
  6. 頭蓋穿骨器(穿孔器?)で頭に穴を開ける<喜多見チーフ>
  7. 男性が心停止(喜多見チーフが緊張性血胸もありそうだと診断)
  8. 音羽先生初登場→アドレナリン投与<音羽先生>
  9. 喜多見チーフは頭蓋内血腫を、音羽先生は血胸を対応
  10. エコーで胸部を確認→左の肺が潰れてることを確認<音羽先生>
  11. 左胸部にイソジン色の液体をかける(消毒?麻酔?)<音羽先生>
  12. 夏梅さんアンビュー(バッグバルブマスクの別名)の対応
  13. 左胸部をメスで切開→胸腔ドレーン挿入→血液を体外へ<音羽先生>
  14. 13と同じぐらいのタイミングで頭の血も抜ける<喜多見チーフ>
  15. 頭をマチュー持針器と3-0の糸(直径0.2mmぐらいの糸)で縫合<喜多見チーフ>
  16. 心臓マッサージ<音羽先生>
  17. 心拍再開
  18. 頭の縫合完了→ガーゼとテープで固定<喜多見チーフ>

頭の方にもドレーンを入れたのか、血胸の血を体外へ出したあとの胸腔ドレーンはどうなったのか、は映し出されてなくて分かりませんでした。

ソルラクト

このシーンでは「ソルラクト」という点滴をうってました。どういう薬剤なのか知らなかったので調べました。(※6)

  • 組織間液減少時の細胞外液の補給
  • 組織間液減少時の細胞外液の補正
  • 循環血液量減少時の細胞外液の補給
  • 循環血液量減少時の細胞外液の補正
  • 代謝性アシドーシスの補正

といった効能・効果を期待できるようです。

爆発に伴う崩落事故

このシーンでは、心タンポナーデ(心膜の間に血液等がたまって心臓が圧迫される状態)など多数の患者が出てきましたが、メインは鉄筋が右太ももの動脈を貫いてしまった男性です。

杙創(よくそう)

このシーンのように刃物以外(鉄筋や木材など)が刺さるのを「杙創(よくそう)」と言ったりします。
男性の意識はありますが、床から生えている状態の鉄筋に脚が刺さってるので動けません。その男性に向かって喜多見チーフは「無理に引き抜くと失血死する可能性がある」と言います。続けて「大腿部を切開して動脈を鉗子で止めてから引き抜く」と説明します。

手技などの詳細はやっぱりよく分からないのでまた映像に映し出されたことを書いていこうと思ったのですが・・・

  1. 鉄筋が貫通しているところより少し上(脚の付け根側)を止血帯で縛る
  2. やっぱりイソジン色の液体をかける
  3. 男性の口にガーゼをくわえさせる(何のため?舌を噛まないため?)
  4. 鉄筋付近の大腿部をメスで切開→男性の意識吹っ飛ぶ

・・・ここまでしか理解できませんでした。鉗子などの器械でなんやかんやしてましたが、どこをどうしてるのか全く分かりませんでした。

とりあえず分かったのは杙創で動脈をやってしまってそうな時はスグに引き抜いちゃイカンということです。

おわりに

初回だからなのか、コラムのわりに膨大な量を書いてしまった気がします。普段、コラムを書くのはそんなに疲れませんが、今回はさすがに疲れました。気が向けば、第2話、第3話と続けていきたいです。

参考

※1 オムロンヘルスケア株式会社 https://bit.ly/3ADnL6B
※2 MSDマニュアル https://msdmnls.co/3meoV4T
※3 公益財団法人日本医療機能評価機構 Mindsガイドラインライブラリ https://bit.ly/3g1ZKyh
※4 株式会社クイック 看護roo!用語辞典 https://bit.ly/3jRajWf
※5 堺市 https://bit.ly/3m2Uoqf
※6 日経メディカル https://nkbp.jp/3ALQiY1

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】コードブルーも好きでした。

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