【Excel】毎月の返済額から借入金額の目安が分かる住宅ローンシミュレーション

ども、ゆうたんです。
今回はタイトルにもある通り、Excelで「毎月の返済額から借入金額の目安が分かる住宅ローン」を計算する方法についてお伝えいたします。
シミュレーションサイトにご用心
住宅ローンのシミュレーションをするにあたり、一般的にはシミュレーションサイトやアプリを利用するかと思います。概ね、そのようなサイトやアプリでは主に次の3パターンでシミュレーションすることが可能でしょう。
- 今の年収から購入可能金額(※)を提示するパターン
- 購入金額(※)から月々の返済額を提示するパターン
- 月々の返済額から購入可能金額(※)を提示するパターン
(※)購入可能金額や購入金額というのは結局のところ「借金」の金額であることに注意しましょう。
しかし、サイトやアプリでシミュレーションする場合には注意が必要です。
上記3つの中で最も試してはいけないシミュレーションは1.です。今の年収からシミュレーションをして、その通りに住宅ローンを組もうもんなら、物件購入後は極貧生活に陥る可能性があります。
たとえば・・・
年収400万円の場合、税金や社会保険料で年間80万円ほど支払うので、手取りはおよそ320万円です。
年収400万円の場合、年間返済額が140万円になるまで借り入れ可能です。
仮にその限度額までめいっぱいにお金を借りて、固定資産税が10万円、管理費・修繕積立金等で年間24万円の物件を購入した場合、自由に使えるお金は年間146万円(月間約12万円)になります。年収400万円-社会保険料等80万円-年間返済額140万円-固定資産税10万円-管理費等24万円=146万円(年間)
逆に最もマシなシミュレーションは(3)でしょう。「月々の返済額」は普段から家計簿等をつけていれば、いくら住宅ローンの返済にあてても大丈夫か分かっているハズですから、それを基準にシミュレーションすれば、物件購入後も困る可能性は低くなるでしょう。
とはいえ、諸費用までは考慮してくれませんので、やはり注意が必要であることには違いありません。
Excelでシミュレーションしてみよう
これだけシミュレーションサイトやアプリが普及している以上、そういう業種の人か暇な人ぐらいしかわざわざExcelでシミュレーションしようと思わないでしょう。
えぇ、分かっていますとも。私はそういう業種の暇人なんです。
Excelでのシミュレーション条件
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」が存在しますが、今回は…
- 元利均等返済で
- 毎月の返済金額から
- 借りれる金額と
- 安心して買える物件価格
…を求めます。
ここでいう「借りれる金額」とは、物件購入後に極貧生活に陥ることなく住宅ローンを返済していける借入金額のことです。また、「安心して買える物件価格」とは物件購入時にかかる諸費用を考慮した金額です。
PV関数を使って求める
では、さっそく作ってみましょう。
(↑クリックで拡大)
これだけじゃ何のこっちゃ分からん人もいるでしょうから、少し説明します。
まず、白文字(年利、返済年数、毎月の返済金額、自己資金)は全て入力しておきましょう。
もしマンションを購入しようと考えている方は後述の「マンション購入時の注意点」をご確認ください。
そして・・・
=ABS(ROUND(PV(年利/12,返済年数*12,毎月の返済金額)/10000,0))
という数式を使えば「借りれる金額」を求めることができます。
また「安心して買える物件価格」は・・・
=ROUND((借りれる金額+自己資金)/1.05,0)
で求めることができます。
この例では諸費用を5%で見積もっています。
8%で見積もりたい場合は、1.05を1.08に変更してください。
年利別・返済年数別の「借りれる金額」一覧表を作ろう
上記では年利と返済年数が1パターンでしたが、下図のように書き方を変えるだけで、年利別・返済年数別の「借りれる金額」一覧表を作成することができます。
(↑クリックで拡大)
マンション購入時の注意点
マンションの購入を検討している場合は、「毎月の返済金額」から「管理費」や「修繕積立金」を差し引いた金額を入力しておきましょう。
国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」によると、平均管理費は10,862 円、平均修繕積立金は11,243 円でした。もし相場が分からない場合は、ひとまずこの金額を差し引いておくといいでしょう。
おわりに
マイホームなどの購入はウン千万円というお金がかかります。しっかりシミュレーションをしておかないと、家は立派なのに部屋の電気をつけるのも躊躇するような生活になるかもしれません。
モデルルームで思い描いたあんな生活・こんな生活を実現させるためには、物件購入後のお金を考慮してシミュレーションすることが大切です。

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
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