心臓と心電図

ども、ゆうたんです。
今回は「心臓と心電図」と題して、「心臓の基本的なこと」「心電図の正常な波形」「心停止とは」の3つについてお伝えしたいと思います。

心臓の基本的なこと

心臓の役割と4つの部屋の役割

心臓の主な役割は次の2つです。

  1. 酸素が含まれた血液を肺から回収し全身に送り出すこと。
  2. 酸素が失われた血液を全身から回収し肺に送り出すこと。

心臓には右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋があり、それぞれ下図のような役割を担います。心房は収縮する力が弱く、心室は収縮する力が強いです。

心臓の動き方

心臓は電気の力で動いています。そして、この電気信号の通り道のことを刺激伝導系と言います。

洞結節という場所から電気が流れ、それに伴って心房や心室が収縮し、電気が通り過ぎると拡張します。これが心臓のポンプ機能です。

このポンプ機能は回数も重要です。成人であれば、1分間に60回~100回が正常値となり、この回数のことを心拍数と表現します。

心電図の正常な波形

正常な波形

正常な波形を知っておかないと異常な波形を知ることは出来ません。とはいえ、緊急性があるかどうかの判断をするだけであれば、正常値までは覚える必要はありません。
「最初にP波がポコッとしてて、Q波で下がりR波でグンと上がってS波で急降下、その後持ち直してT波がボコッとあるな…」ぐらいでOKです。U波についてはほとんど使いません。

重要なのはP波とQRS波

心電図を見る理由は心臓が正しくポンプの役割を果たしているかを確認するためです。そこで重要になってくるのがP波とQRS波です。

  • P波・・・心房の収縮(収縮する力が弱いから小さい波)
  • QRS波・・・心室の収縮(収縮する力が強いから大きい波)

心停止とは

心停止とは、脈がふれないことを意味します今から紹介する4つの不整脈は、いずれも「心停止」の状態で、すぐに対処しないと命を落とします。

心室細動(VF)

心室細動とは心室のいたるところで電気信号が発生し痙攣してしまうことです。長時間正座をしていると足が痺れて歩くのがつらくなるように、心室がビリビリすると血液を送り出すことができなくなります(収縮できなくなる)。この状態になると意識はなく脈もふれません。

心室細動(VF)の波形

心室細動の波形の特徴は、高さ・間隔・幅、すべてにおいて規則性が無いことです。

心室細動(VF)の対処

心臓マッサージ(胸骨圧迫)AED、バッグバルブマスクを行いましょう。医師免許があればアドレナリンの投与も行いましょう。

心室頻拍(VT)

心室頻拍とは、心室から一定のリズムで電気信号が発生し、非常に速いペースで心室が収縮してしまうことです。より多くの血液を送り出せそうな気がしますが、実際にはその逆で空打ちしてる状態になります。速すぎる頻拍であれば脈なしVT、比較的ゆっくりな頻拍であれば脈ありVTとなります。脈の有無については、心電図からは読み取れないため、実際に動脈に触れて確認します。

心室頻拍(VT)の波形

心室頻拍の波形の特徴は、P波が見えず、高さとRR間隔が一定であることです。また、QRSの幅が少し広めという特徴があります。

心室頻拍(VT)の対処

脈なしVTの場合・・・心室細動と同じように、心臓マッサージ(胸骨圧迫)AED、バッグバルブマスクを行いましょう。

脈ありVTの場合・・・心臓マッサージ(胸骨圧迫)およびAEDは行わず、バッグバルブマスクを行いましょう。

心静止(Asystole)

心臓のどこからも電気信号が発生していないため、一切収縮が起こらない状態です。収縮が起こらないということは血液を送り出せないということなので、脈もふれず、意識はなくなります。

心静止(Asystole)の波形

P波は心房の収縮、QRS波は心室の収縮と説明しました。心静止は心房も心室も収縮が起こらないため、P波もQRS波も現れません。T波はQRS波のあとに出現するものなので、QRS波が無いとT波は現れません。そのためフラットな状態が続きます。

心静止(Asystole)の対処

電極が外れていないか確認し、問題がなければDNRオーダーの有無を確認します。DNRオーダーとは「延命処置をしたくない」という意思表示です。例えば、高齢者の方や癌などの病気で予め死ぬかもしれないと分かっているような場合には、DNRオーダーをする患者さん(またはそのご家族)がいます。

DNRオーダーがあれば、そのまま死亡確認します。
一方、DNRオーダーがなければ心臓マッサージ(胸骨圧迫)、バッグバルブマスクを行いましょう。そもそも心臓は動きを止めているので、AEDは不要です。医師免許があればアドレナリンの投与も行いましょう。心臓マッサージ(胸骨圧迫)を止めた時点で死亡確定です。

無脈性電気活動(PEA)

無脈性電気活動とは、心電図の波形はあるが、脈がふれない状態のことです。脈がないということは心停止であり、血液は送られておらず、意識もない状態です。

無脈性電気活動(PEA)の波形

無脈性電気活動には決まった波形はありません。たとえ正常な波形であっても、脈が触れていなければ無脈性電気活動です。

無脈性電気活動(PEA)の対処

AEDは行わず心臓マッサージ(胸骨圧迫)とバッグバルブマスクを行いましょう。医師免許があればアドレナリンの投与も行いましょう。

おわりに

今回は特に緊急性の高い4つの心停止についてお伝えしました。他にも書きたいコラムがあるので一通り書き終えたら、今回ほどではないが緊急性の高い心電図の紹介をしたいと思っています。

執筆者:鍛治田 祐子(ゆうたん)

IT業を経てFPに。コラムでは多岐にわたる内容を執筆中。
【一言メッセージ】心電図が読めると医療ドラマが楽しい!

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