肌のことを知って美容にかけるコストを下げよう

ども、ゆうたんです。
今回は「肌のことを知って美容にかけるコストを下げよう」というお話です。専門家ではないので、間違えているところもあるかもしれませんが、仮説に仮説を重ねて「化粧水も美容液もいらなくね?」というお話をしていきます。
垢として剥がれるのに化粧水が必要?
・・・まずは、化粧水から。
さて、読者の皆様は「角層(角質層)」という言葉をご存知でしょうか。[図1]のように皮膚の一番外側にある層のことです。皮膚の中で最も高いバリア機能を有していて、健康な皮膚であれば、1日1層ずつ垢として剥がれていきます。
[図1]特に女性であれば、肌を潤すために毎日入念に化粧水を使っている人が多いかもしれません。
しかし、私は肌を潤すだけなら水やお湯だけで十分だと思うんです。お風呂に入って、指先だけシワシワにふやけているのを見たことありませんか?
↑こんなヤツです。これって、「皮膚が水分を吸収してスポンジみたい膨張していくんだけど、指先は爪があるから膨張できなくて、そのシワ寄せが起こっている」と考えるのが自然だと思いませんか?
この仮説が正しいとすれば、「わざわざ垢として剥がれるヤツに高い化粧水を吸い込ませる必要なんて無くね?」と思った次第です。
美容液成分は真皮まで届かない
・・・次に、美容液です。
よく美容液には「コラーゲン配合」とか「ヒアルロン酸配合」とか書かれていますよね。その表記を見て美容液を購入しておられる人も多いでしょう。そんな方にお尋ねしたいのは、「皮膚のどこにコラーゲンやらヒアルロン酸があるかご存知ですか?」ってことです。[図2]をご覧ください。真皮の中に含まれていることが分かるかと思います。
[図2]問題は美容液に含まれるコラーゲンやらヒアルロン酸が、本来のあるべき場所の「真皮まで辿り着けるのか?」ってことです。結論から言って、ほぼ不可能だと思っています。なぜなら、皮膚には「500ダルトン限界説」というものがあるからです。
少なくとも2012年の論文では「マーカー分子を例として考えると、分子量500ダルトン程度の物質の直径は1.0-1.3nmである。皮膚を透過しないと言われているタンパクでさえ直径が5-8nmであるため、一次粒子径が10-60nmの化粧品や医薬部外品中に含まれるナノ粒子は、単分散で皮膚に塗布されたとしても、皮膚を浸透・透過するとは到底考えられない」と発表されています。
とはいえ、今は2020年です。論文の発表から8年も経っているので、もしかしたら真皮まで到達してくれる化粧品も開発されているのではないかと思い、念のため「世界最小 コラーゲン」でググってみました。
結果、DHCのスーパーコラーゲンという成分がヒットしました。その詳細が書かれている「こちら」のページでは、「真皮層までの到達を可能にしました」と書かれています。「おぉー、開発されているんだ」と思ったのも束の間、そのスーパーコラーゲンが含まれている商品(DHCスーパーコラーゲンスプリーム)を確認してみたところ、真皮というキーワードがなく「これまでのコラーゲンを凌ぐ浸透力で角層のなかへ入り込み」という表現がありました。
成分としては真皮まで届くけど、製品・商品にしたら角層までになった、という意味でしょうか?実際のところ、この商品の良し悪しは分かりませんが、化粧品として販売されている成分が真皮まで辿り着くのは相当難しいこと、というのは分かったのではないでしょうか。
意外と安上がりなスキンケア
・・・じゃぁ、結局どうすればいいのさ!?
有名な話かもしれませんが、米国皮膚科学会(AAD)が「Skin care on a budget」という動画をあげています。日本語訳すると「経済的なスキンケア」ってとこでしょうか。ざっくり内容を紹介すると、「Cleanse, treat, and prevent」と謳っていて、要は「洗浄しろ、ケアしろ、予防しろ」と言ってるワケですね。
洗う:乾燥肌や敏感肌の場合、アルコールベースのものは避けなさい。(拭き取りタイプのメイク落としとか・・・かな)
ケア:風呂上がりに湿った肌に保湿剤を使いなさい。ワセリンがいいよ。
予防:日焼け止め塗りなさい。SPF30以上で広いスペクトラム(broad-spectrum)の防水タイプを使いなさい。
こんなことを言ってますね。[ケア]の”保湿剤”と[予防]の”広いスペクトラム”について少し補足しておきます。
[ケア]の”保湿剤”というのは得た水分を逃さない目的で使用するものを指しています。化粧水が必要というわけではありません。一般的な化粧品でいうところの乳液に近い役割のことです。 [予防]の”広いスペクトラム”についてですが、これを説明するには紫外線の知識が必要です。紫外線には、A波・B波・C波の三種類があります。A波が一番長くて、真皮まで到達します。B波が表皮まで到達します。C波が一番短くてオゾン層で弾き飛ばされるんです。市販の日焼け止めを見ると「SPF」とか「PA」という表示があります。SPFはB波の予防、PAはA波の予防です。「広いスペクトラムのものを使え」というのは、「どの波長の紫外線からも守れるものを使え」という意味です。日本で発売されてる日焼け止めは、ほぼ全部SPFもPAも書かれてるので、そこまで気にしなくても大丈夫でしょう。まぁ、これに従うのであれば、朝晩しっかり顔を洗って、ワセリンで保湿して、昼間に出かけるなら日焼け止め使え、ってことですね。化粧水、乳液、美容液と毎月ン千円~ン万円かけている人からすれば、だいぶ安上がりになるのではないでしょうか。ワセリンはドラッグストア等で1,000円以下で500gほど手に入るかと思います。
私の場合、体の50%が砂糖、残りの50%がニコチンで構成されてそうな、本当に体に悪いものばかりを摂取して、日焼け止めも塗らずに外出していますが、その割に肌がマシなのは、おそらく引きこもり体質で真昼間から外に出歩く機会が少ないからでしょう。今までは風呂上がりにベビーオイルでしたが、近々ワセリンに変えてみようと思います。皆さんは、どうしますか?
【参考資料】
Eriko Kimura, Hiroaki Todo, and Kenji Sugibayashi. Skin Penetration and Safety of Nanoparticles. YAKUGAKU ZASSHI 132(3) 319-324(2012)